パスタに関するエトセトラ
2022.01.17
多くの人がパスタといって皆さんの頭にまず始めに思い浮かぶのは、恐らくスパゲッティだと思います
人によっては「パスタ=スパゲッティじゃないの?」という人も少なくないのではないでしょうか?
しかし、一口にパスタといっても色々あります
皆さんが耳にしたことがあるかもしれないものをいくつかあげますと・・・
カッペリーニ、フェデリーニ、リングイネ、フェットチーネ、マカロニ、ペンネ、ラザニア、ラビオリ等々、いくつかは聴き覚えがあるものがあるでしょうか?
パスタの語源
Pastaという言葉はイタリア語で基本的には麺類という意味です
しかし、イタリアでは麺類という意味以外にも様々な意味を持っており、練り粉や生地、ケーキを指す言葉としても使われることがあります
なぜなら「ペースト」に当たる言葉が語源といわれており、広義では「小麦粉と水を一緒に練って成型したもの」を指します
そういった意味ではパンやケーキはもちろん、日本でなじみ深いたこ焼きやお好み焼きも「パスタ」の一種かもしれませんね(笑)
パスタとスパゲッティの違い
と、ここまで読んでいただければ冒頭の「パスタ=スパゲッティ」ではないという疑問もご理解いただけたのではないでしょうか
広義はさておき麺類だけで見たときにも「パスタ」という食べ物の中に「スパゲッティ」や「カッペリーニ」や「ペンネ」があります
「パン」の中に「バケット」や「クロワッサン」「バターロール」があるのと同じですね
パスタの原料!デュラム小麦のセモリナ
本場イタリアでは、乾燥パスタに使う原料をデュラム小麦のセモリナしか使ってはいけないという法律があります
そう・・・パスタの原料といえば「デュラムセモリナ」
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
逆に、ではデュラムセモリナとはなにか?といわれて答えられる方は少ないかと思います
遠回りをせずに端的に説明しますと(笑)
「セモリナ」とは粗く加工すること、粗挽きの意味で、 「デュラム」というのはデュラム小麦という小麦品種
つまり「デュラム・セモリナ」とは、「デュラム小麦を粗挽きしたもの」という意味合いになのです
デュラム小麦はグルテンというタンパク質を含んでいる小麦で、このグルテンが多いと生地にコシが出てとても硬くなるので、パスタに最適な小麦とされています
ちなみにこのデュラム小麦には日本で使われる小麦粉で使われる一般的な小麦と比べ「カロチノイド」という色素を多く含むため、中華麺のようにかん水を使わずとも鮮やかな黄色い麺が出来上がります
パスタの選び方
さて、星の数あるパスタ・・・どのように選びましょう?
長いものがいいのか、短いものがいいのか?
細いものがいいのか、太いものがいいのか?
薄いものがいいのか、厚いものがいいのか?
もちろん、好きなパスタ、食べたいパスタを選ぶのが1番ではあるのですが・・ここからは私の持論ですのでご参考までに
私がパスタを作る際にベースとして大切にしていることは「一体感」。(慣れてくると、そこにアクセントを加えたり、意図的にバランスを崩したりする事もありますが・・・それはまた別のお話)
一体感を出すためには・・・
ではパスタにその「一体感」を出すためにはどうしたらいいのか・・・?
手っ取り早いのは「麺」の存在感と「ソース」の存在感を合わせることです。
麺は太さが太ければ太いほど、厚さが厚いほど麺の存在感は増します
それに対して、ソースも重ければ重いほど存在感が増しますし、具材は硬ければ硬いほど、大きければ大きいほど存在感が増します
これらのバランス、存在感を整えることにより「一体感」のあるパスタが作りやすくなるのです
皆様が手に入れやすく、親しみやすいスパゲッティで説明しますと・・・
シンプルなオイルベースのようなサッパリとしたソースには細めの麺を、
カルボナーラやミートソースのような濃厚なソースには太めの麺がお勧めです
ブロンズ加工とテフロン加工
また、同じスパゲッティ(ロングパスタの乾麺一般に言えることですが)を語るうえで、太さとは別に忘れてはならない大切な要素・・・
それは乾麺をブロンズ加工とテフロン加工という二種類に分類できるということ
ブロンズ加工のパスタとは、パスタの表面に細かい溝があり、手で触ると少しザラザラとしていて粉が吹いたような見た目のパスタです。
細かな溝にソースが絡みやすく、もっちりとした歯ごたえであることが多いのに対し、
それに対してテフロン加工は表面に溝がなく、ツルっとした触感と見た目のパスタ 喉ごしがよく、しこしことした歯ごたえであることが多いのが特徴です
どのような製造方法によりこのような違いが出るかという話は・・・少しマニアックなので割愛しましょう(笑)
皆さんの家に常備している(?)パスタはどちらでしょうか?
ちなみにそれぞれの麺のソースとの相性はと言いますと・・・
サラッとした軽いソースにはブロンズ加工のパスタの方がよく絡み、テフロン加工だとソースがツルツルと滑り落ちてしまい味の乗りがよくありません
逆にしっかりとしたソースにはブロンズ加工だとソースが絡みすぎて重たい印象になり、テフロン加工だとバランスがとりやすくなります
これらはあくまで私の持論であり、誰に言わせても必ずの正解とは限りませんが、パスタづくりの試行錯誤の参考にしてみてください