飲食店における「おもてなし」講座
2022.06.28
前回のテーブルマナーのお話が思いの外好評だったので、調子にのって(笑)今回はおもてなしや接待のお話をしましょうか
記念日なのどのお祝いの席や接待など、飲食店にて誰かをおもてなしする際・・・どうしたら良いのかわからない人、意外といらっしゃるのではないでしょうか?
「おもてなし」をするのは「あなたです」
まず大前提として、誕生日の家族、合格祝いや結婚祝いの友人、接待のゲスト
あくまで会の主役を「おもてなし」をするのは飲食店のスタッフではなく、ホストである貴方です
飲食店、及びそのスタッフは貴方がおもてなしをする際のお手伝いをする、言わば「道具」だと思ってください
例えば、ゴルフをするならキャディーさんの役割です
実際にプレーするのは選手本人ですし、どのクラブを選ぶのか?を決めるのも本人です
バックを担いだり、シーンによってはアドバイスをしたりしながら、プレーを円滑に進めるお手伝いをする係りです
ボールを遠くに飛ばしたいのか?
キッチリとフェアウェイをキープしたいのか?
これらはプレーする(おもてなしをする)本人が明確な意図を持って行うべきであって、キャディーさん(飲食店)が決めることではありません
例えばお誕生日
よくあるお問合せが 「同行者が誕生日なんですけど何かできますか?」というお問合せです
揚げ足をとるわけではありませんが、我々飲食店を営む人間側からすると
「何かってなんだよ?」
「貴方は相手に何をしてあげたいの?」
と声を出さずに思っているのが実情です(笑)
「サプライズでデザートにメッセージプレートをつけてもらえますか?」
「お花を渡したいので、事前に預かってもらえますか?また、然るべきタイミングで持って来てもらえますか?」
「通常のスタンダードなコースよりアップグレードは可能ですか?」
「産まれ年のワインの手配は可能ですか?」
「2人きりでの貸切営業は可能ですか?」
などなど・・・
相手にこういうおもてなしやサプライズがしたいのだけれど、対応が可能かどうか?
という具体的なプランについて対応の不可を擦り合わせる流れが本来の筋なのです
例えば接待でのワイン選び
例えばワインが好きだというお客様を招いて接待をしていたとしましょう
よくありがち、見かけるシーンとして
ワインリストをホストがゲストに丸投げしてワインを選ばせようとするケース・・・
ゲストはまずホストが今日の会食に対してどの程度の予算を想定しているのかを知りません
いくらワインが好きでも、どの程度の価格帯のワインをどの程度の量飲んでいいのか・・・コレはゲストに逆に気を遣わせてしまいます
コースの内容(或いは選んだ料理)との相性や、ゲストの味の好みを聞いた上で、ホスト側がワインを選ぶようにしましょう
この際、お店のソムリエを有効活用して相談するのは正しい「道具(飲食店)の使い方」の一つです
また、どうしてもゲストにワインを直接選んでもらいたい際は、事前に値段表記の無いワインリストをお店に用意してもらえるか聞いておきましょう
ただし、予算に限りがなければ・・・ですが(笑)
そもそもですが・・・
大切な人のお祝いや失敗できない大事な接待の会場、キチンと下見をしていますか?
できればある程度行きつけのお店が安心ですが、そうでなければせめて一度下見に食事に行くことをお勧めします
お料理の好みに合う合わないは勿論、例えば隣の席との間隔とか、サービスマンの気が利く利かないとか、BGMの音量、内装の雰囲気、駅からの距離感、などなど・・・
行ってみないとわからないことが沢山あります
陸上選手が大事な大会で、新品のシューズを試し履きもせずにいきなり試合で履いていたら 「本当に?」 と思いませんか?
「高かったから」
或いは「評判が良かったから」
と言って、シューズもお店も貴方のに合うとは限りません
貴方のしたい「おもてなし」にピッタリのお店は予め実際体感して確認しておくことをお勧めします
さて、、、
少し長くなってきたので今日のところはこの辺で・・・
まとめとして大事なことなのでもう一度
「おもてなしをするのは貴方です」
お店でもなければ、ゲストに任せてはいけません
別に自分でお酌をしろ、ということではありません(笑)
意思決定を相手やお店ではなく自分で行わなければいけないことを頭に入れておいてください
自分がしたい形のおもてなしをきちんと自身でイメージして(←大事)、それを体現する為にお店とすり合わせをきちんとしておくことが大切です
意思の疎通ができていれば、プロとして貴方のおもてなしを最大限サポートする為に尽力してくれます
せっかくするのであれば、相手に喜んで貰えるおもてなし(やサプライズ)を演出しましょう‼︎