和牛と国産牛の違い
2022.12.20
あっという間に2022年も残り約10日
年末年始には「今日はちょっと贅沢にすき焼きや焼き肉でも・・・」という方もいらっしゃることでしょう
さて、そんなときにスーパーやデパート、お肉屋さんに行ってお肉を選ぶ際
和牛と国産牛の違いを理解して選ばれているでしょうか?
「え?国産(日本産)の牛のことだろうから一緒じゃないの?」
という方も少なくないのではないかと思います
本日はサクっと個々の違いを理解しちゃいましょう
和牛とは
和牛と国産牛は、明確に区別されています
和牛に指定されているのは「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4品種のみ(例外としてこの4種間で交配された牛も和牛といわれます)
そう・・・和牛とは「品種」の話なのです
ちなみに日本で飼育されている和牛の9割が、皆様耳にしたことがあるであろう黒毛和種(黒毛和牛)で占められています
体格は(牛の中では)小柄で、赤身にまでサシが入り、とろけるような口溶けとそれに伴う風味がよいのが特徴です
かの有名な「松坂牛」や「神戸牛」「米沢牛」「近江牛」など名だたるブランド牛はこの黒毛和種です
ちなみに褐毛和種で有名なのは「土佐あかうし」や「熊本あか牛」
肉質自体は黒毛和種に比較的似ていますが脂肪が少なく赤身が中心の肉質が特徴です
短角牛は主に北海道や東北地方で飼育されているものが多く、和牛の中では手間がかからず成長が早いのが特徴で、放牧に適している品種(故に比較的しっかりとした肉質)
無角和種は現在ほぼ山口県でしか飼育されていない希少な品種です
国産牛とは
和牛が「品種」だったのに対して「国産牛」とはいったいどのような区分なのか?
国産牛の定義は
「国産牛とは日本国内で一番長く飼育された牛」のことで、定義の上では「和牛」も「国産牛」の一部です(「和牛」表記の方が付加価値が高いので和牛が国産牛と表現されることはありませんが)
なので、「日本で産まれて育った牛」のみならず
例えば「アメリカで生まれ7カ月飼育され、その後日本へ来て10カ月経過した牛」の場合も、日本で過ごした期間のほうが長いため「国産牛」と認定されます
そんな牛が実在するのか私は知りませんが(調べてないw)「アメリカで3カ月、オーストラリアで6カ月、そして日本で10カ月飼育された牛も「国産牛」です
要するに、どこで誕生したのかではなく、日本で一番長い期間飼育されたか否かによって判断されます
ですので、国産牛は長く日本国内で飼育されている牛のことをさすのに対し、「輸入牛」は日本国外で飼育され、輸入された牛をさします
ちなみに輸入される国はアメリカとオーストラリアが大半を占めています
皆様が「牛」といわれて真っ先に思い浮かべる白黒の斑点模様、主に乳牛として飼育されている「ホルスタイン」(食用にされることもある)
アイスクリームや生クリームでよく見かける「ジャージー牛」
等はほぼほぼ「国産牛」にあたりますが、皆さんの食卓に上る国産牛の多くは和牛とホルスタインのかけ合わせの交雑種(国産牛肉全体の半分以上)です
黒毛和種などの純粋種と比較すると、病気に対する抵抗力の強さや成長力の早さが交雑種の特徴と言えます
両方の良いところを受け継ぎ、肉質は和牛に近く、体格はホルスタインに似て大きくなり育てやすい良いとこ取りを狙ったミックス品種ですね
ちなみにざっくりとした食肉としての評価(および価格)は
和牛>交雑種>乳用牛
となっていますが、ご想像通りですかね(笑)
まとめ
和牛と国産牛の違い、おわかりいただけましたか?
というわけで年末年始(に限らず)お肉屋さんやスーパーで肉を選ぶ際や、ステーキや焼肉を食べる際などに、今回の知識を役立ててみてください