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みんな大好き?ビールのイロハ

2023.01.31

お酒どころか、飲み物として「とりあえず・・・」といえば100人が100人決まり文句として下の句に来るのが「ビール」

お酒飲む方もそうでない方も、好きな方もそうでない方も・・・日本酒といえばお米のお酒、ワインといえばブドウのお酒、そしてビールといえば麦のお酒くらいはもはや一般教養といってもいいのではないでしょうか?(笑)

そんなビールと一口に言っても昨今はクラフトビールが流行り始めたこともあり、色々種類があって何が何やら、という方も少なくないのではないでしょうか?

今日はそんな酒飲みの為のビールについてサラッとお話ししましょう

ビールの起源?

そんな私たちの日常を彩るビールですが、ビールはいつ・どこで誕生したのかご存じですか?

実は、ビールの歴史は古く、なんと紀元前3000年ごろまで遡ります

お酒の起源は基本的に「うっかりしてたら発酵しちゃった」が大元ですが(笑)、人類史上初めてのビールが誕生したきっかけは、麦そのものではなくパン

このパンが雨などによって水浸しになり、偶然発酵したことで、ビールが誕生したといわれています

ちなみに「ビール」の語源は諸説ありますが、ラテン語で「飲む」を意味する「bibere(ビベール)」が由来であるという説や、ゲルマン語で「大麦・穀物」を意味する「beuro(ベウロ)」が由来であるという説もありますが、基本的にヨーロッパで誕生した言葉であることは間違いなさそうです

ビールの作り方

そんなビールですが麦の状態からどのように作られているか皆さんご存じでしょうか?

これがまた、実は意外と手間暇がかかっているのです

麦から麦芽を作る

ビール作りの最初の工程は、まず麦を発芽させて麦芽を作ることに始まります

なんで発芽させなきゃいけないの?という質問が出そうですが、詳しい仕組みに関しては私もうまく説明できませんが(笑)・・・ビールを作るには、酵母によるアルコール発酵が不可欠です

その発酵がそのままの麦の状態ではうまく発酵できないところを発芽させることにより発酵しやすい状態に麦が変身すると考えていただければ大きな間違いではありません(笑)

日本酒のお米もそのままでそのままでは発酵しないので、一度炊いてから酵母を着けていくのと同じですね

麦の場合は15℃程度の水につけ2日ほどすると、麦が発芽してもやしのような根が伸びてきますが、この時に、麦の中ででんぷんの分解酵素であるアミラーゼという物質が発生して発行しやすい状態になります

乾燥

発芽した麦をそのままにすると今度はどんどん成長してしまうので、発芽を止め酵素を失わないように約80度の温風で乾燥させて芽と根を取り除き、暫く熟成させます

これによって麦芽は芳ばしく仕上がり、雑菌も繁殖できないほどに乾いて長期保管が出来るようになります

ちなみにこの際に焙燥(温風で乾燥させる)の温度を高めたり、ロースター(焙煎機)を使用することで、色や香りにさまざまな特徴をもつ麦芽をつくることができます

これらの麦芽は濃色ビールや黒ビールなどに使うことで芳醇な香りや豊かな色、深い味わいを醸し出します

この時の麦の状態がビールの色に反映されているのです

麦汁づくり

醗酵のための準備が麦汁づくりです

まず、乾燥した麦芽をミルで引いて粗く粉砕し、粉砕した麦芽を仕込み用の窯に入れお湯で溶き、加熱します

ここで、麦芽に含まれるデンプン成分を水分に移し、麦芽中のでんぷんを糖分に変える「糖化」を行います

糖化が終了した麦芽を濾して固形物を除去すると、麦汁ができあがり

ちなみにこのとき、最初に絞り出された麦汁のことを「第一麦汁」と呼び、スッキリとしていて渋みがなく、とても飲みやすく仕上がっています

第一麦汁だけを使用した代表的な銘柄として、キリンビールの「一番搾り」がよく知られていますね

さらにこの後、残った麦に改めてお湯をかけて「第二麦汁」を作り出します

多くのビールはこの第二麦汁も使用して、ビールの旨味やコクを加えていくのです

次に、麦汁にビールの麦に次ぐ主役「ホップ」を投入

ホップの成分を抽出し、また、麦汁を完全に殺菌するために長時間の煮沸を行います

このホップにより独特な芳香と爽快な苦味を与えることに加え、雑菌の繁殖を抑えたり、(ホップの成分により)ビールを清く澄んだものにしたり、泡持ちを良くしたりといった効果を得ることができるのです

煮沸が終了したら、麦汁から不純物を取り除いて冷却すると、発酵の準備ができあがりです

発酵、熟成

ビールは発酵方法により、低温(10℃程度)で発酵する酵母を使う下面発酵(酵母が沈む)と、高温(15〜25℃程度)で発酵する酵母を使う上面発酵(酵母が浮く)の2種類があります

この発効のさせ方の違いによりビールは大きく2つに分かれ、下面発酵のビールを「ラガービール」、上面発酵のビールを「エールビール」と呼んでいます

ちなみに日本で大手ビールメーカーが作る慣れ親しんだビールはラガービール

苦みとキレのバランスが整い、麦の風味がしっかりと伝わってきてのど越しがよく飲みやすく、食事にも合わせやすい人気のビールです

一方、エールビールは麦の香りを抑え、ホップの芳醇な香りを効かせた、華やかさでフルーティーな味わいが特徴

食事のお伴というよりは、ビールを単体で楽しむ飲み方が向いており、個性的な風味が楽しめます

さて、この酵母の作用(発酵)により、麦汁中のブドウ糖や麦芽糖がアルコールと二酸化炭素(炭酸)に分解されます

発酵が進むと酵母の活動は弱まり、発酵はいったん休止状態となりでき上るのが、「若ビール」です

若ビールには不快な未成熟香があり、まだ飲用には適していないので貯蔵タンクに移し、酵母の働きをあらためて活性化させて後醗酵を行い、その後、冷却した状態で2週間~1カ月程度熟成を行います

濾過・熱処理

ビールの中の酵母が生きたままだと、製品化されても発酵が進んでしまうので、熟成されたビールは、不純物や固形物を取り除くために熱処理や濾過されます

かつては基本的にこの酵母を死滅(不活性化)させる為に熱処理が行われることが多かったのですが、今は技術の進歩により濾過によって酵母を完全に漉し切ることが可能にありました

そのように加熱をせずに処理されたビールが「生ビール」です

多くの方が勘違いをされているかと思いますが、いわゆるお店でタップから出てくる樽出しのビールのことだと思っている方が少なくありません

実際の「生ビール」とはこの熱処理のないビールのことを指すので、瓶でも缶でも熱処理のされていないビールは「生ビール」です

そんなわけで、巷ではほぼほぼ多くのビールが「生ビール」ですが熱処理されたビールとしての代表は「キリン クラシックラガー」と「サッポロ ラガー(赤星)」などです

中には「ラガービール」=「熱処理されたビール」だと思っている方もいるようですが、これも間違いであることはここまで読んでくださった方にはお分かりですね(笑)

ちなみに最近はあえて濾過をしない「無濾過ビール」が登場しています

酵母が生きたままの無濾過ビールは、一般的なビールにはないコクやフルーティーさが生まれ、独特な味わいを楽しめますが、ただし前述の通り酵母が生きたままだと保存のコンディション(特に温度帯)により発酵が進み過発酵で美味しくなくなってしまう可能性があるので気を付けましょう

まとめ

さてビールの作り方について説明した今回ですが、意外と長い行程の手のかかる飲み物だと思ったのではないでしょうか?

勿論既知の方もいらっしゃったでしょうが、今まで知らなかったビールの世界を覗くことで、これまで以上に美味しいビールの飲み方が増えるかもしれません

スーパーやコンビニでビールを手に取る際には作られ方を回帰しながら選び、その深い味わいを楽しんでみてください

きっと、もっとビールが好きになるでしょう・・・(くれぐれも飲みすぎ注意w)

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