手作りホワイトソースにダマを作らないポイント
2023.05.23
フランス語ではベシャメルソースと呼ばれるホワイトソースを使ったシチューやドリア、グラタンは家庭の食卓でも人気メニュー
にもかかわらずホワイトソース作りが億劫で中々敬遠しがちになるのではないでしょうか?
そんなホワイトソースも、「なぜダマになるのか?」を理解すると失敗のリスクがぐんと下がります
ホワイトソースの基本
ホワイトソースの材料は、とてもシンプルで小麦粉、バター、牛乳のみ
これを1:1:10で混ぜ合わせたものがホワイトソースになります
この10の牛乳の割合を増やしたり減らしたりすることによってソースの濃度(トロっと感)の調整をすることができます
作り方も非常にシンプル
・フライパンにバターを入れ、弱火で溶かしたら、薄力粉を投入
・弱火でじっくりと炒める
・粉が炒まったら牛乳を加えて焦げ付かないよう混ぜながらとろみが出るまで加熱する
シンプルにこれだけなんです
なぜダマになるのか?
小麦粉がダマになる理由・・・それは小麦粉内の「デンプン」がだす粘り成分です
小麦粉な水分に良くなじむ前に粘りが出ることによって小麦粉の粒子同士がくっついてしまうことによってダマが発生してしまいます
ちなみにこのデンプンの粘りが一番出る温度帯が50~60度といわれています
これを踏まえるとおのずと対策方法が見えてきます
液体(牛乳)を混ぜる前に油脂分で粒子の周りをコーティングする
小麦粉をバターで炒めるという行為がまさにこれに当たります
この時の注意点がいくつか・・・
まずバターの中にも水分が多く含まれるのでバターが高温になる前に小麦粉を入れてよく混ぜること
また小麦粉内のデンプンの粒子は高温によって一部分解されて絡みにくくなるので、よく炒めること
この炒め具合の目安ですが、初めはぼそぼそしていた小麦粉が、バターと良くなじみデンプンが一部分解されることによってサラサラしてきます
火加減が強いと焦げてしまホワイトソースがホワイトでなくなってしまうので弱火でじっくりが基本です
これが「よく炒める」といわれる所以です
暫く炒めるとサラサラだった小麦粉バターが、バター内のあった水分が蒸発して泡出しながら濃度が少し戻ってきます
そうなってきたら待ちに待ったドキドキの牛乳を加えるタイミングです(笑)
加える牛乳の温度
さてこの時に加える牛乳ですが・・・
「温めた牛乳を加える」「冷たい牛乳を加える」「炒めたルーは冷ましておく」などレシピによって書いてあることが様々で混乱するのがホワイトソースづくりの一番の関所ではないかと思います
ポイントなのはデンプンが50~60度の間で一番粘りが出るということ
ということはそれ以下の温度帯でなるべく小麦粉の成分を牛乳内の均一に溶かし込んでおく必要があります
では冷たい牛乳を入れればいいのではないか?と思うでしょうが、ここで一つポイントになってくるのが「バターは冷めると固まる」ということです
全体の温度を下げ過ぎるとバターが固まってしまい牛乳内に均一に小麦粉が溶け切らず、逆にダマの原因になります
ですので理屈上、一番いいのは50度以下の温度でバターの融点(30度)以上の40度程度の温度で混ぜ合わせるのが良いということになります
勿論その都度ルーと牛乳の温度をしっかり計れば一番失敗が少ないですが、なかなかそこまでは面倒なのが実情でしょう
ですので、私のおすすめは
ルーのとろみ(バターの状態)に変化がない程度に少し冷ましたところに、人肌より少し暖かいくらいの温度(お風呂の温度)の牛乳を加えてよく混ぜる
です
これで理屈上まず、混ぜた瞬間にダマになってしまうことが防げます
よく混ぜて一体化しところで弱火にかけるのですが、この時はまだデンプンが牛乳に完全に溶け切っているわけでは無いので中で時間と共にデンプンが沈殿し始め均一状態ではなくなり、改めてダマの原因が発生します
ですから混ぜながら加熱するということが大切です
温度が高まってくると60度を超えるタイミングで一気に濃度が付き始めますので、しっかり加熱してポコポコ沸騰するくらいまで温度を上げて糊化したデンプンを定着させたら完成です
まとめ
失敗の仕組みを知れば、対策も簡単
出来上がったホワイトソースは冷凍保存も可能です
是非食卓のレパートリーの拡充にお役立てください!