牛乳 バター 生クリーム
2023.06.06
皆さん、牛乳とバターと生クリームの違い、わかりますか?
いやいや「馬鹿にするなよ?」と思うでしょうが、牛さんの母乳が牛乳だとしたら、生クリームはどのようにできるのか?と聞かれたら途端に「???」となる方、「少なくないのではないでしょうか?
そんな違いや作られ方などをおさらいしていきましょう
そもそも牛乳とは?
一般的に牛乳というと、まずは紙の所謂牛乳パックのに入った牛のミルクをイメージしますよね?
メーカーや商品名や成分表から多少の差があることは感じられても、基本的に全て同じ牛乳だと思われがちです
しかし厳密には純粋な牛乳とは乳脂肪分を3.0%以上、無脂乳固形分を8.0%以上含んだものと決められています
牛乳は「水分(約87%)」と「乳脂肪分(約4%)」と「無脂乳固形分(約9%)」の集合体です
水分と乳脂肪はわかりますが、無脂乳固形分とは何ぞや?というと水と脂肪以外のすべてです
要するにタンパク質やミネラルや炭水化物のこと
そのバランスが乳脂肪分を3.0%以上、無脂乳固形分を8.0%以上含んだもののことだけを「牛乳」と呼ぶことができます
この成分バランスを人為的にコントロールすることにより、例えば乳脂肪分を除去して0.5〜1.5%にした「低脂肪乳」や、生乳から水分や乳脂肪分や無脂乳固形分の一部を除いて作られた「成分調整乳」が作られます
ぜひ自身の好みや用途に合う種類を探してみてください
では生クリームとは
「牛乳」の決まりと同じように「生クリーム」は「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」で乳脂肪分が18.0%以上含まれていることが条件として定められています
除去のみで何においても「添加」は認められていません
脂肪分が18〜30%のものがコーヒー用のライトクリーム、30〜48%が洋菓子やホイップ用のヘビークリームと分類されます
ちなみにスーパーの乳製品のコーナーに行くと、多種多様なクリームが並んでいます
その中には、「生クリーム」に見えて実はそうでないものも存在します
名称にホイップやフレッシュと記載されているのは、生クリームと何が違うのでしょうか。
まずは脂肪分として乳脂肪が使われていて、乳化剤や安定剤などの添加物を使用し、分離しにくい等の使い勝手がよくなるようにしたもの(「生クリーム」+添加)
純乳脂タイプと表示されている場合や『生クリーム100%使用』とパッケージに表示されていることが多いです
次に乳脂肪の一部を植物性脂肪に置き換えたもので、乳脂肪の風味のよさ、口溶けのよさを活かしながら植物性脂肪を加えたものがあります
そして乳脂肪をすべて植物性脂肪に置き換えたもので、乳脂肪のようなまろやかな風味とは異なり、軽くさっぱりとした風味が特長で乳脂肪を使用したものより賞味期限が長いものが多いです
上記3つはパッケージの裏の成分表に「クリーム」ではなく「乳等を主要原料とする食品」と表記されています
生クリームのでき方
生乳中の脂肪は他の乳成分より軽いため、しぼったままの乳を静置しておくと脂肪分がしだいに浮上し、脂肪分を多く含むトロリとした層ができます
この層がクリームです (市販の牛乳はこのように分離しないように均一化される工程を踏んでいます)
昔はこれをすくいとって飲んだり、料理やお菓子に使ったり、バターを作る材料にしていましたが、現在は遠心分離機を使って用途に合わせて乳脂肪の量を調節されクリームを製造しています
ではバターは?
乳脂肪分の塊ともいえるバターは、生クリームの延長線上にあります
子供のころに生クリームを瓶やペットボトルに入れて思いっきり振ってバターを作るという理科の実験をしたことがないでしょうか?
作り方は途中までは生クリームと同様、生乳を遠心分離機にかけて、乳脂肪の多いクリームを分離させます
そのクリームを激しく攪拌して脂肪球を凝集させると、出来上がるのがバター(と脱脂乳)です
元の生乳をざっくりと「脂肪」(バター)と「水分と無脂乳固形分」(脱脂乳)に分けて作られるということです
ちなみに生クリームと違い市販されている牛乳では乳脂肪分が足りず、残念ながらボトルを振る人力でバターを作るのは無理がありますのでご理解を(笑)
まとめ
日常の食生活に身近な乳製品ですが、意外とその違いや作りを知らずに飲み食いしていることも少なくないのではないでしょうか?
仕組みが違いわかれば目的や用途によって何を選べばいいかの参考や代用が危機うのか聞かないのか?、また好みの把握にもつながります
是非役立ててみてください