栄養価から学ぶ食材図鑑 ~オクラ~
2023.06.13
独特のネバネバが特徴的な夏野菜の代表格「オクラ」
原産地はアフリカでエジプトでは2000年以上前から栽培の記録が残っているほど歴史の長い野菜・・・実は英語名の「okra」が日本語でもそのまま使われているのだ
そんなオクラは食感に注目が集まりがちですが、実はビタミン類・ミネラル類・食物繊維などを多く含んでいて、栄養面が優れている野菜です
そんなオクラについて今日は学んでいきましょう
オクラのカロリー
- エネルギー:26kcal
- たんぱく質:2.1g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:6.6g
一般的な切り口が五角形のオクラは1本あたり10g強
ネットに入った1パック10本分で約100gです
そのオクラ100gあたりのカロリーは30kcal
炭水化物量は6.6gと多めに見えますがそのうち5.0gが食物繊維で、糖質量はわずか1.6gと非常に優秀な栄養価です
その他の栄養価
じつはオクラはビタミンの宝庫で、100gあたり670μgのβカロテンを多く含んでいます
また、血液凝固などに関わる「ビタミンK」は71μg、赤血球の生産に関わる「葉酸」は110μgであり、100g食べるだけで1食分の栄養素を補うことが可能・・・ほかにも、ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンCなども含んでいて、代謝や肌の健康を保ったり、免疫力を高めたりする働きが期待できます
オクラにはカリウム、カルシウムを含むミネラル分も比較的豊富
何度か登場していますが、カリウムは塩に含まれるナトリウムと一緒に体の中の水分の濃度を調整する栄養素で、不足するとナトリウムの排泄が滞り、血圧が高くなるなど、生活習慣病のリスクが上がります
むくみの解消にも役立つ栄養素で、濃い味つけを好む方やアルコールをよく飲む方は必要量が増えるため、何ともありがたい食材です
カルシウムは皆様ご存じ、骨や歯の健康に関わるミネラルです
不足すると足りない分は骨を溶かして補うため骨がもろくなり、子供の場合は成長不良、大人は骨粗しょう症の原因のひとつといわれます
また「カルシウムが不足するとイライラする」などという言い伝え(?)もありますが、これは血液中のカルシウム濃度が低下すると「情緒不安定」、「集中困難」といった精神症状、つまりイライラ状態になることは医学的にも認められていて、的を得た認識のようです
カルシウムは骨だけでなく、心を落ち着かせるためにも必要な成分なのですね
何といっても食物繊維
オクラの栄養素を語る上で欠かせないのが食物繊維
オクラ100gあたり5.0gの食物繊維が含まれていて、これは食物繊維が多いイメージのごぼうに比べて約2倍の量です
オクラは水溶性と不溶性どちらの食物繊維も含み、代名詞ともいえる独特の粘りは水溶性のペクチンによるもの
ペクチンは腸の中で善玉菌のえさとなり、腸の環境を整えてくれます
また、糖質の吸収を緩やかにすることから、食後の血糖値が急激に高くなるのを抑えるのにも効果的で腸内環境にも身体(ダイエット?)にも嬉しい効果です
一方不溶性の食物繊維は腸の中で便のかさを増し、腸を刺激して動きを促すことで便通をよくしてくれます
老廃物をからめとって排泄することから同じく腸内環境を整えるのに活躍してくれます
まとめ
美容にも健康にも疲労回復にも嬉しく、季節的にも美味しく楽しめるオクラ・・・
そんなオクラの栄養素は茹でると水に流出してしまうものも少なくないので茹で過ぎには注意しましょう
色や見た目を気にしないのであれば電子レンジでの調理もおススメです
みそ汁など、加熱したスープをそのまま全部摂取する調理法も理想的ですね
これから暑さも日々増していきます
栄養価の高い食材をモリモリ美味しく食べて夏バテしないよう気を付けましょう!