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シャキッと生野菜の秘密

2021.12.21

サラダが美味しい生野菜・・・とはいえ、買ってきた野菜を一度に食べきるのも大変ですよね

冷蔵庫に入れっぱなしにしていたら、気が付いたらくたっとしてた

一度や二度は皆さんもそんな経験をしているのではないでしょうか?

野菜は収穫以降、時間と共に水分が抜けていくのは皆様もイメージしやすいと思います

そんな野菜を食べる前にシャキッとさせる方法として、皆様もご存じ「冷たい水につける」という方法があります

確かにハリがよみがえったのを経験したことがある方も少なくいないのではないでしょうか?

さて、では水につけることによって野菜には何が起きているのか・・・少し紐解いていきます

浸透圧

「野菜の細胞が水を吸ってシャキッとする」・・・

確かにその通りなのですが、ではなぜ水を吸うのか

その秘密は皆様も一度は耳にしたことがあるであろう「浸透圧」にあります

例えば、冷たいレトルトパックをお湯につけると、レトルトパックは温まる代わりにお湯の温度は下がります

これは皆さんも簡単にイメージが湧きますよね

「温度」は別の温度帯と接触すると、温度が一定になるように双方が作用します

これと同じ原理が水分の液体濃度(濃さ)でも起こります

野菜の種類にもよるでしょうが、一般的に野菜内の水分には約0.85%の塩類が入っているといわれています

対して水は理論上0%

その為、水に野菜を付けると濃度を揃えようという作用が働きます

そこで、通常野菜の細胞壁は水を通すことができますが、塩分を通すことができません

すると、濃度をそろえようと作用するには野菜内に水を取り込んで塩分濃度を下げるしかないのです

その為、野菜を水につけると「野菜が水を吸う」                  ↓  

水を吸うと、細胞が膨らみ野菜に張りが出る、といった仕組みです

ドレッシング

サラダを美味しく食べるのに欠かせないドレッシング

いったいどのタイミングでかけるのがいいのでしょうか?

早めにかけた方が味がよくなじむ気がしますが、皆さん「食べる直前にかける」というイメージの方が多いと思います

なぜか・・・?

これは先ほどの浸透圧の作用が逆に働いてしまい、今度はシャキッとではなく、ベタっととしてしまうからです

ドレッシングをかけるということは、大げさに言い換えると「ドレッシングに野菜を漬ける」ということと同じ状態になります

ドレッシング内の方が塩分濃度が高い為、濃度をそろえようと作用すると、塩を通さない野菜の細胞壁から水を抜いて「野菜内の塩分濃度を上げる(ドレッシング内の塩分濃度を下げる)」ということが起きてしまいます

ですから、ドレッシングをあえてから時間のたったサラダは、野菜から水分が抜けシナっとして、ベチャベチャしたサラダになってしまうのです

サラダのドレッシングは極力食べる直前に和え、しゃっきりしたサラダを楽しみましょう

注意点

野菜を水につけるときの注意点がいくつかあります

冷たい水を使う

水が中途半端にぬるい、または暖かいと細胞自体が弱ったり壊れたりして逆にシナっとしてしまいます

極力冷たい水、できれば氷水を使ってください

先ほどの温度のお話もした通り、冷たい水に野菜を入れると野菜自体の温度で水の温度が上がります

夏場など温度が高い時は、外気との干渉でなお一層この作用が強く働くので注意しましょう

また、温度差があればあるほど浸透スピードが速いことも明らかになっています

また余談ですが10年ほど前に「50度洗い」という技法が流行りました

これは50~60度というピンポイントに熱い水に短時間つけることでヒートショック現象という作用が起こり、細胞が呼吸をする穴である「気孔」という部分が一気に開き水分を吸い込むという一説があります

また、野菜内のペクチンとカルシウムイオンがこの温度帯で結ぶつくことが解明されていて、細胞同士の結びつきが強くなることにより、物理的に硬化する作用があります

冷水につけてシャキッとするのと、50度洗いでシャキッとするのは現象が少し違うのです

上記の理由により理論上、もっとも野菜をシャキシャキにするには、1度野菜を50~60℃で茹でた後、氷水に漬け込むことだそうです(私は現状試したことがありませんw)

漬けこむ時間に気を付ける

これも想像に容易いでしょうが、水に漬け込みすぎ吸水に限界に来ると、味や水溶性の栄養素が水に抜け出しまいます

とある実験によると、2mm幅のキャベツの千切りを30分間浸水させた場合、ビタミンCの残留率が77%となったそうです

つまり、23%抜け出すのですが、これを多いと取るか少ないと取るかは・・・各人の判断にお任せします(笑)

先ほど少し触れましたが、常温だと給水まで約10~20分、氷水だと2~3分で給水できるようです

野菜を水に1分以上つけておくと、ビタミンやカリウムなど水に溶けやすい栄養素が出てしまうので(最大で3割ほど)、養分の流出を防ぐためにも時間と共に温度(氷水)が大切になってきますね

最後に

そんなこんなで、美味しいシャキッとしたサラダを食べるうんちくを少し楽しんでいただけたでしょうか?

水につける(水洗い)は衛生的観念からも望ましいひと手間ですし、ぜひ試してみてください!

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