ワインの「おススメ」について(初級編)
2022.02.15
以前、料理のおススメについての記事を書きましたが、本日はワインのおススメについて・・・
まず「基本的なこと」は料理と変わりません
・大前提として、「おススメ」できないワイン(料理)はそもそも無いこと
・初めてお客様の味覚(好み)はまだ知らないということ
これをお客様自身とソムリエを中心とした我々スタッフと「双方」ですり合わせて、お客様の満足につながるご提案にするのが「幸せなおススメ」です
ワインのチョイスは「絞り込み」
ワインの初心者の方と一緒にワイン選びをするには、選択肢を絞り込んでいくのが非常に効率的かつ有効です
とはいえ、いきなり絞り込めと言われても何からどのように絞り込んでよいのかわからないかもしれません
ですが、最低限の絞り込みは実はそんなに難しいことではありませんので是非ご一読ください
ワインの種類の絞り込み
これは「当たり前」だと思われえるかもしれませんが、意外と重要なファーストステップ
泡・白・ロゼ・赤のどれを飲みたいのか、です
意外とここがあやふやなことも多いのです
明確な意思があるのであれば、まず一番先にソムリエさんに伝えましょう
ここにも特に大きなこだわりがなく、且つグラスワインを頼むのであれば、
「今食べている(或いは、次に来る)料理に合わせておススメのワインをください」
これですべてが解決、ゴールインです(笑)
ボトルワインを注文の場合(基本的にはこちらを軸において話を勧めます) 一皿当たり一本飲む底なしさんであれば上記と同じでもよいのですが、なかなかそうもいかない方が多いでしょうから、どのタイミング(料理)を軸にワインを考えるかを、飲む量を考えながら相談するのがスムーズです
なかなかすべての料理と一本のワインをベストマッチさせるのは難しいので
「複数本飲むので今食べている料理に合わせて」なのか
「食事全体を通して、どの料理ともなるべくケンカしにくい一本」なのか、
「最後のメインデッシュに合わせたチョイス」なのか、
酒量と食事計画に合わせて種類を決めるのが非常にスムーズです
また、ご時世的に「マリアージュ」という言葉や「ペアリング」が流行っているので料理とワインを常に結び付けて考えがちですが、じっさいのところ何を食べて何を飲むかはお客様の自由です
一般的には「肉には赤、魚には白」といわれますが、「いやいや、それでも今日は赤(白)が飲みたいんだ」というのは大いに「アリ」ですし、それを意地になって「お店(ソムリエ)の思うおススメの組み合わせ」を押し付けるのは、あまり優れたサービスとは呼べません
「飲みたいものをのみ、食べたいものを食べる」のがお客様のもつ権利ですし、それをできる限りサポートするのがお店のプロフェッショナルとしての手腕の見せ所です
ぜひ自由に主張しましょう
価格で絞り込む
さて、飲みたいワインの種類が決まりました
グラスワインであればあまり大きく関係しないことが多いですが、ボトルワインの場合、次に無視できないのが「値段」です
ワインの怖いところは非常にデイリーなものから、目玉が飛び出るような高級品まで幅広く存在すること
一見、具体的に予算を伝えるのが恥ずかしいような、あるいはマナー違反のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません
ある程度ご指定いただいた方がご提案するワインを絞り込めるので大変助かります
とはいえ、あまりにもピンポイントにいくらといわれてしまうと逆に選択肢がなくなってしまうので
「○○円までで」
「〇〇円~〇〇円の間で」
「○○円前後で」
と幅を持たせた表現をするとスムーズです
もちろん予算に余裕があれば「いくらでもいいので」もそれはそれでありです(笑)
ちなみに、価格帯によって味わいの幅がある程度限られてしまうことがありますが、お店のワインリストを見たときに種類(商品数)として一番充実した価格帯の中で提案、選んでもらうのがそのお店で一番バリエーションがあるので、よりピンポイントに好みに合ったワインを提案してもらいやすいことを頭の片隅に入れておきましょう
接待やデートなど、同席者に値段を聞かれたくないときはワインリストをソムリエに見せて金額を指さしながら「このくらいのイメージで」「この辺りからこの辺りの間で」と手を使いながら身振りを交えてジェスチャーで伝えるのが非常にスマートです
味わいで絞り込む
さて、ここで尻込みしてしまう方が多いのではないでしょうか(笑)
ですが今日は初級編
最低限ソムリエさんが提案に困らないレベルでのやり取りまでのお話です
まずよくありがちな「辛口で」の一言・・・
これは美容室に行って「髪切ってください」というのと同じくらい、選択肢を殆ど絞り込めていません(笑)
美容室でシャンプーだけしてもらう人が少ないように、辛口ではない(甘口の)ワインは今のご時世、非常に限られています
たいていのお店のワインのラインナップのうち、ほぼ9割は辛口と呼ばれるカテゴリーのワインです
ただいわゆる「辛口」の中にもレイヤーがあるのは確かです
カレー屋さんのカレーの中に1辛~10辛があるように、(糖分を感じる)甘さはないけれどドライ感に違いがあるのは確かです
ただ、「辛口」だけでは「星の王子さまカレー」を省けただけで、バーモンドカレー(ジャワカレーでも可w)の中辛なのか辛口なのか激辛なのかといったレベルのチョイスはできていないことを認識してください
ワインの初心者はまずは「重さ」で選ぶ
ワインの味わいを選ぶチャートで「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」と表現されているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
これはワインにおける味わいの重厚感(コク)を表現する言葉です
ビールを飲む方だと、例えば「ハイネケン」や「バドワイザー」のような軽くてスルスル飲める味わいと、エビスビールのようにコクと深みの味わいがあるビールの違いのワイン版の表現だと思っていただければ大きく外れておりません(笑)
白ワインであれ、赤ワインであれ、スッキリさっぱり、するするゴクゴクと飲みたい気分なのか、
濃厚でコクのある味わい(赤ワインの場合は渋みも)をゆっくりと楽しみたいのか・・・
前者であれば「軽めの味わいのものを」、後者であれば「しっかりとした味わいのものを」と伝えれば意図にあったワインを勧めてくれます
もちろん間を時は「軽すぎず、重すぎずバランスの取れたものを」と頼めばミディアムボディのおすすめワインをチョイスしてくれます
ここまでくれば後は選んだコースや料理とすり合わせておススメのワインをソムリエさんが持ってきてくれます
中級編に片足を入れるので余談ではありますが
欲を言えば、好みの(或いは好きではない)国や地域、あるいは品種
以前飲んで好きだった(嫌いだった)ワインのラベルの写真を見せてもらえたりすればよりお客様の好みに合ったワインを一層ピンポイントにおすすめすることができます
またまだ初心者のお客様も、お店で飲んだワインが好きだったか、いまいちだったかを写真を撮っておいて、蓄積しておくことで それをお店のソムリエさんに見せることでお客さんの好みの傾向を図れることがあるのでお勧めです
また一つ自分の中に基準ができると、それを軸に「もうちょっと軽い(重い)方が今の気分」とか「これよりもっと香りが華やか(フラット)なものを飲みたい」など比較対象ができてきます
どのお店でも選びやすくなりますし、なじみの店ならなおさらソムリエさんと情報共有が密にできるので「あたり」に出会える確率が格段にアップします
まとめ
- 1,飲みたいワインの種類を決める
- 2,予算のイメージを伝える
- 3,飲みたいワインの重さを伝える
- 3’,(或いは合わせる料理を指定して任せる)
もちろん、欲を言えばもっと細かく絞り込みたいところではありますが
まず初級編としての最低限、この三つの条件をすり合わせることが双方にwinwinな情報交換になります
ぜひ頭の片隅にしまい、時が来たらソムリエさんと一緒にワインを選び、好みのワインと出会ってください