小麦粉の基本
2022.08.09
パン・麺類・揚げ衣・洋菓子など、さまざまな食品・料理に使われている「小麦粉」
もはや日常的な食生活において欠かせないといっても過言ではない存在です
そんな小麦粉には薄力粉や強力粉などいくつか種類があるのは聞いたことがあるけれど、結局何が違うのか・・・意外と理解されていない方も多いのではないでしょうか?
何の料理を作りたいか?
どんな料理に使いたいか?によっておすすめの小麦粉が異なります
そこで今回は小麦粉の基本や、薄力粉と強力粉の違い、それぞれの小麦粉に向いている料理などについて少しだけ解説しましょう
小麦粉の種類
小麦は人類最古の作物の一つです
紀元前7000年頃には西南アジアで栽培が始められたといわれています
最初は砕いて食べていただけですが、紀元1世紀頃には水車で動かす石臼の製粉が行われるようになって白い小麦粉を作ることができるようになったとか・・・
現代の真っ白い小麦粉は、小麦のふすま(皮?)を除いて胚乳部分を粉にしたもの
成分は主にでんぷんとタンパク質のグルテンで、一般的にその質と量によって3つに分類されています
薄力粉
タンパク質含有量が8.5%以下で、グルテン量が最も少ない小麦粉です
粉の粒度が細かく、ケーキや菓子類、天ぷらの衣などに使用されます
中力粉
タンパク質含有量が9%前後の中間量の粉です
柔らかくよく伸びるので、主にうどんやそうめんなど麺類の原料として使われています
強力粉
タンパク質含有量が12%以上で、グルテンの量も40%前後と非常に多く、粘りが強靭です
パン、パスタ、などに使われます
上記が最も皆さんに馴染みある3種ですが、ほかにもこのような小麦粉があります
全粒粉
小麦の粒を丸ごと挽いて製粉したもののこと
真っ白な一般的な小麦と違い、ふすま(表皮)や胚芽に含まれる、ミネラルやビタミン類などの栄養も豊富です
皮も入っているので褐色を帯びていて、全粒粉パンやクッキー、シリアルなどに用いられます
グラハム粉
全粒粉の一種で皮と胚芽は粗挽きに、胚乳は細かく挽き、合わせた粉のことです
クッキーやクラッカーに使われることが多いでしょうか・・・?
デュラムセモリナ
こちらについては以前パスタについての記事で説明しました
グルテン含有量が高いデュラム小麦を粗挽き(セモリナ)にした、パスタの原料となる小麦粉です
ふすま
全粒粉と違い胚乳(真っ白な粉になる部分)が入っていない、通常製粉時に除かれる皮と胚芽部分のこと
栄養補助食品としても注目されています
グルテンとは
とはいえ、皆さんが一番気になるのはおそらく薄力粉・中力粉・強力粉の使い分けでしょう(笑)
先ほども少し説明しましたが、この3つの違いは小麦蛋白の含有量です
「グルテン」とは小麦に含まれる蛋白質「グルテニン」と「グリアジン」が絡み合ってできたものです
パンやうどんのもちもちとした食感や弾力
これらはグルテンの働きをよるものです
たとえばグルテンはパン作りの際、弾力のあるグルテンがゴムのような働きをして薄い膜を張ることにより、発酵するガスを記事の中に閉じ込めて、パンが風船のようにふくらむときに手助けをしてくれます
小麦粉の蛋白質には先ほど登場した「グルテニン(弾力はあるけれども、伸びにくい)」と、「グリアジン(弾力はないけれども、粘着力が強く伸びやすい」があり、小麦粉に水を加えてこねることで、こねればこねるほど「グルテニン」と「グリアジン」が絡み合って「グルテン」になり、弾力と粘り気のある生地ができあがるのです
この弾力のある「グルテン」のゴムのような働きがどの程度必要か?によって粉を使い分けているのです
例えば、たとえばケーキに強力粉や中力粉を使うと、ゴムの戻る力が強すぎてフワッと軽やか仕上げたいケーキがムチムチとした重い仕上がりになりやすくなってしまいます
逆にパンを薄力粉で作ると発酵したガスを閉じ込めておく力が弱いので、強力粉で作った生地と比べると膨らみづらく、その結果パンはボリュームがなくぼそぼそとした食感になってしまいます
てんぷら粉に薄力粉を使うのも、グルテンが強いと衣内の水分を閉じ込めてしまいがちなのでサクっと軽やかな衣になり難いからですね
また天ぷら衣やケーキを焼く際のレシピに必ず出てくる「さっくりと混ぜる」や「混ぜすぎないように注意」というのは「グルテン」は混ぜたりこねたりすればするだけ強固なものになってしまうからです
まとめ
「サクサク」「フワフワ」とした食感を求めるケーキ・クッキー・マフィン・天ぷら・お好み焼きなどを作るのに向いていて
「コシのある」「もっちり」とした食感を楽しむパン、ピザ生地、中華麺などが向いているのはそういった理由からです
また一番なじみ深い中力粉ですが、これは説明通り小麦蛋白の量が薄力粉と強力粉の中間の粉ですので、最悪手元になくて困った際は薄力粉と強力粉を1対1で混ぜて使えばある程度の代用が聞きますのでお試しあれ
もちろん、求める料理やお菓子の仕上がりによって粉を変えたり混ぜたりして作ることが可能です
サクサクふわふわ ⇔ もっちり
のバランスを念頭にぜひ色々試しながら小麦粉遊び(料理)をしてみてください