栄養素と効能から紐解く食材図鑑 ~舞茸~
2022.10.04
秋の味覚の代表格「きのこ」
そんなきのこの中でも人気が高く、且つ手に入りやすい舞茸
今回はそんな舞茸についてです
名前の由来
舞茸の名前の由来には諸説あり、2つの説が有力だといわれています
1つ目は、野生の舞茸を見つけると、舞い上がって喜んだことから「舞茸」と名付けられた説
野生の舞茸は、秋になるとミズナラやシイなどの大きな木の根元近くに発生するのですが、株は非常に大きくなり、幅が30cmほどにもなります
しかし、舞茸の菌はほかのキノコよりも弱く、野生で生育することが難しいので、自生している舞茸は希少価値があって「幻のキノコ」と呼ばれているほどです
それは運よく見つけたら舞い上がりたくなりますよね(笑)
2つ目は、舞茸のカサが蝶の羽のように見えて、カサが重なりあう姿が舞っているように見えるからという説
切り分けられてパック詰めされた舞茸をみると、その様子はわかりにくいかもしれませんが、もしも1株で舞茸を見る機会があれば観察してみてください
カサの重なり合った姿が、舞い上がっているように見える・・・かも?(笑)
舞茸の栄養価
- 水分:92.7g
- たんぱく質:2.0g
- 脂質:0.5g
- 炭水化物:4.4g
多くのきのこや野菜がそうであるように舞茸の90%以上は水分です(笑)
舞茸は生の状態100gのカロリーが15kcalですが、1人で生の舞茸だけを1食に100g食べることは少ないでしょうから、実際の摂取カロリーはさらに低くなります
資質も少なく非常にヘルシーな食材といえそうです
その他舞茸に多く含まれている栄養素として
ビタミンD
ビタミンDは、多くのきのこに含まれている栄養素で、リンやカルシウムなどのミネラルの代謝に関わっています
不足するとくる病や骨軟化症、筋力低下や筋肉痛につながるおそれがあるとも・・・
βグルカン
βグルカンは、多くのきのこに含まれている食物繊維の一つで、コレステロールの吸収を防ぐため、動脈硬化を予防すると考えられています
積極的に摂取していきたいですね
エルゴステロール
以前椎茸のご紹介をした際に登場しましたが、紫外線を浴びることで、ビタミンD2に変化する栄養素です
そのため、上記の通りカルシウムの吸収を助けるので、骨粗鬆症の予防に云々以下略(笑)
ビタミンB2ここにタイトル
ビタミンB2は、水溶性のビタミンで、不足すると口内炎や口角炎、舌炎などにつながるおそれがあると言われています
チロシナーゼ阻害物質
そばかすやしみの原因となる、メラニン色素の発生を抑制する栄養素で、摂取することで美肌効果を得ることができる・・・とか
などなど、非常に美容、健康に対して魅力的な食材ですね
舞茸で肉を柔らかくする裏ワザ??
生の舞茸は、強烈な「タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)」を持っています
これはパイナップルやパパイヤ、キウイフルーツなどにも含まれる酵素で、その名の通り肉などのタンパク質結合組織に働きかけて分解する作用があります
よくバーベキューの際のお肉の下処理の裏技的なもので見たことがある方もいるのではないでしょうか?
この働きを利用すると、固い肉もしっとり柔らかに・・・
ただしこの酵素は生の状態でないと効能がなく、加熱すると死んでしまうので必ず生の状態でお肉と混ぜたり付け込んだりしましょう
舞茸はみじん切りにしてお肉とマリネするといいですよ
もちろん調理時には一緒に?加熱してソースや具材として食べる分には美味しく一石二鳥です
気を付けないといけないのはこの酵素、卵を加熱して固まる作用との相性がすこぶるわるいので要注意
代表的なのが茶碗蒸し
生のまま卵液を混ぜて買わん蒸しを作ろうとすると固まらないので要注意
同じ作用で、例えばお好み焼きに生の舞茸を入れて焼いても形がうまく保てずに焼きあがるので気を付けましょう
先述の通り、加熱すると酵素は失われるので、混ぜる際には一度しっかりと火を通したものを加えれば問題ありません
まとめ
舞茸は大部分が水分ではありますが(笑)、不足しがちなビタミンDやミネラルなどを幅広い栄養素が摂れる美容に健康に助かる魅力的な食材です
食欲の秋、旬のきのこ舞茸をぜひ様々な調理法で堪能しちゃいましょう