お酒ができる仕組み
2023.03.15
世の中には、やめたくてもやめられない人が一定数存在する「お酒」
飲み過ぎは勿論よくないものの、少量なら逆に健康に良いとかそうでないとか・・・
そんな毒にも薬にもなる「お酒」ですが、そもそも「お酒」ってどのような仕組みで出来上がるのでしょうか?
発酵とは?
お酒といえば「発酵」が切っても切れない縁だということは皆さんもご存じかと思います
ところが、お酒以外にも味噌やチーズ、ヨーグルトな納豆も「発酵」ですよね?
では発酵とは何ぞや?と
発酵とは人間にとって有効な微生物が働き、物質を分解させることを指します
この「人間にとって有効な」というところが肝でして、この部分を「人間にとって都合の悪い」に置き換えると「発酵」はたちまち「腐敗」という言表現に変わってしまいます
ですので、線引きには曖昧な部分があり、発酵も腐敗も人の考え方によって判断されるということになっています
アルコール発酵
お酒といえば「アルコール」ですが・・・
そんな「発酵」のうち「酵母」という微生物によって起きる分解・変化をアルコール発酵といいます
酵母は糖分を餌にアルコールと炭酸ガスを作ります
これで一番分かりやすいのがワインで、ブドウという果物の甘さ(糖分)を餌にしてアルコールが作られ、「ワイン」が作られるのです
ちなみに「糖分」が餌になって「アルコール」になるのでワインはブドウジュースのような強い甘味がないのです
ですので、甘さの強いブドウほどアルコール度数の高いワインと作ることができますし、甘さが控えめなブドウでワインを作るとアルコール度数の低めの軽いワインが出来上がります
ちなみにアルコールと一緒に発生する炭酸ガスですが、ご存知のようにすべてのお酒に炭酸が含まれる訳ではありません
炭酸ガスはお分かりのように、密閉状態ない限りどんどん抜けていきます
つまり、ざっくり端折って大まかに説明すると(笑)、ビールなど炭酸を含むお酒は、基本的に密閉状態で発酵させているということです(後から炭酸ガスを注入する方法もあります)
酵母と酵素
さて、ワインはもともとの原料がブドウで「甘い」ので話が分かりやすいですが、例えば日本酒やビール
原料の米や麦を考えれば、どう考えても果物のような甘さはありません
酵母のエサである糖分がないのに、どうやって発酵をさせているのか?
それは、デンプンを糖分に分解させているのです
このように糖分を作り出すことを「糖化」と言います
デンプンには、一定の条件を満たすといわゆる「酵素」の力が働き、糖分に分解されるという特性があります
酵素と酵母、似たような名前で何が違うの?となりそうですが
酵素とは化学反応に関連する必須タンパク質
生き物が、体内で作ることができ、食べ物などを消化や分解してくれる物質です
「分解」というと尚更「酵母」と何が違うのかとなりそうですが、わかりやすい一番の違いは「酵素はタンパク質(いきものではない)」「酵母は微生物(いきもの)」であるということです
話を戻しますと、温度や水分などを調整することで酵素の力が活発に働き、デンプンが糖分に変わっていくのです
ビールは、そのままの「麦」ではなく、より酵素の力が働き糖化しやすくなるように「麦芽」(麦を少しだけ発芽されたもの)の状態にして、
日本酒は麹の酵素の力を借りて糖化を促し、しっかりと糖分を生成したうえで酵母の力で発酵させるのです
まとめ
単純に表現すると
アルコール発酵とは、
糖分+酵母=アルコールと炭酸ガス
ということになります
糖分に酵母が作用してアルコールと炭酸ガスが発生することを理解すると、原料や糖分、炭酸ガス、アルコール度数などの違いから、お酒を比較しながら楽しむ際にグンと視点が広がります
蛇足的になりますが、お酒の中に含まれるアルコール度数の割合を意識すると、アルコールの量の把握になり、悪酔いなどの予防や健康管理に役立ちますよ(笑)
お酒は容量用法を守って正しくお付き合いしましょう(笑)