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粉の種類による揚げ衣の違い

2023.04.26

例えば、みんな大好き?から揚げ・・・定番の鶏肉は勿論、豚肉でも魚でも、日々の食卓のご飯のお供から、お酒のつまみに至るまで万能料理の一つです

そんなから揚げの衣について・・・最近は味までついた便利な「唐揚げ粉」なるものが存在しますが、味付けまで拘りたいなら自分で粉まで用意したいところ

そんな時、皆さんは何の粉でから揚げを揚げているでしょうか?

揚げ物がサクサクする理由

食材に粉をつけると、食材の水分や調味液の水分が粉に含まれるデンプンとまざります

水分と混ざったデンプンは、油で揚げて加熱することで糊化します(とろとろの状態)

デンプンが糊化すると、食材の表面にうすい膜ができます

この膜は、最初はとろとろの状態ですが、さらに加熱することで膜の水分が蒸発し,サクサクになるのです

さらに糊化された膜は、食材のうまみを閉じ込める効果もあるため、おいしい唐揚げが出来上がります

これが揚げ物がサクサクになる理由です

粉の種類による違い

片栗粉

竜田揚げでおなじみの片栗粉

片栗粉は、主にじゃがいもからデンプンを取り出して粉にしたもの

なので、主成分はデンプンで、先ほどの説明の通り水を熱で糊化します

次に説明する小麦粉と比較すると「グルテン」がないのでデンプンの糊化による幕が薄めに仕上がりサクサクとしたクリスピーな食感に、また粉を多めにしっかり使うとザクザクとした歯ごたえのある食感の衣が出来上がります

難点は給油率が高く、冷めるとべちゃっとした食感になりやすいこと

また小麦粉と違い粉自体に「うま味」がないので冷めると食感と共に美味しさが損なわれがち・・・ぜひ揚げたての魅力的な食感を堪能しましょう

小麦粉

小麦粉は小麦を挽いて粉にしたもの

デンプンのほかにタンパク質を含んでいます

以前の記事で説明したことがありますが、小麦粉のタンパク質は主にグリアジンとグルテニンという2種類で構成されていて、これらに水を加えてこねると粘り気と弾力のある「グルテン」という網目構造が作られます

小麦粉を使ってパンや麺の生地を作ると、生地が切れることなく膨らんだり伸びたりするのは、このグルテンのおかげです

唐揚げの衣に小麦粉を使う場合、まず、グルテンの網目が鶏肉の表面をしっかりと覆います

これを油で揚げると、片栗粉のようにデンプンのゆるい網目ができ、水分が蒸発するのと同時に、グルテンの頑丈な網目が熱によって固められます

そのため、表面がしっかりと衣で覆われ、薄い部分はしっとりやわらかく、厚い部分はガリッとした衣になります

なお、グルテンが多すぎると、衣がもっちりとして水分が蒸発しにくく、逆にカラッと揚がらないので、グルテンの量が比較的少ない薄力粉を使いましょう

揚げたてはカリっと、冷めたらしっとりとした二者二様の楽しみ方ができるのも特徴です

米粉

小麦粉同様、正に字のごとく、お米の粉です

米粉のから揚げは馴染みが薄いかもしれませんが、お店で買ったり食べたりするから揚げでは実は意外と縁の下的に活躍している粉です

粒子が非常に細かいのが特徴で、衣が非常に薄くつく上、給油率が低いので脂っこくならずクリスピー感がある上に軽く仕上がるのが特徴です

また揚げたてのクリスピー感も小麦粉や片栗粉より持続力があるのも魅力の一つです

難点を揚げるとすれば小麦粉や片栗粉より色づきが早い(焦げやすい)のと、単体で揚げると仕上がりが軽すぎて物足りないと感じる人もいることが挙げられます

粉をミックスして使う

おすすめの配合でよく見るのは小麦粉と片栗粉

小麦粉の冷めてもおいしいところと、片栗粉の食感の両方が楽しめる配合になります

小麦粉と米粉のミックスは米粉100%と比べると、衣がしっかりと付いてドシッとした重さと旨味をプラスできます

衣は小麦粉が多いほど存在感を増し、米粉が多いと軽やかな食感となって配合のバランスによる違いが楽しめます

米粉と片栗粉のミックスは食感に特化した衣になることが期待できます

片栗粉のころもの食感は損なわれずに、油っぽさが米粉によっていいかげんでダウン

冷めても,油っぽくないサクサクしたから揚げが楽しめます

個人的なおススメは3種のミックス

面倒なのですべて同量ずつで問題ありません(笑)

米粉の軽さと持続性は捨てがたいし,小麦粉のうまみとグルテン膜も取り入れたいし,唐揚げの命はサクサク感の片栗粉・・・三者三様の活躍を見せてくれます

まとめ

というわけで,、衣にする粉による違いをまとめてみました

自分の好みの食感や仕上がりをイメージしながら配合を試してみると、より自分好みの衣にたどり着けます

是非試してみてください

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