説明を書く

椎茸を余すことなく堪能するために・・・

2022.01.12

さて、前回は椎茸のルーツと栄養価から復習をしましたが、今回は具体的に摂取の仕方について考えてみましょう

椎茸を洗うのか洗わないのか問題

買ってきた野菜はとりあえずまず洗うのが習慣となっている方も多いかと思います もちろん、清潔、衛生の観点で見ると双方において「洗う」という行為はまずマイナスになることはありません

しかしながら、あらゆる食材においてみ「水」によって流失してしまう栄養素があるのもまた事実・・・

では椎茸はどうしたらいいのか・・・?

結論から言うと「洗わない」が模範解答

基本的にきのこ全般は「洗わない」のが正解とされています

まず、栄養素流出云々の前に、きのこ全般において「水分」が保存・クオリティの維持との相性が非常によくないことが理由の一つです

きのこを冷蔵庫にしばらく放っておいたら、蒸れたようなしなびれ方をしてしまったのを経験ある方はいらっしゃらないでしょうか?

きのこ自体が非常に水分量の多い野菜でもあるため、自分自身の水分ですら己のコンデションの低下を招きます

外部からさらに水を含ませる行為を加えることは極力避けた方がよいでしょう

うま味成分からみても・・・

きのこ類におけるおいしさのポイントは何といっても自信の持つ「うま味」 椎茸に含まれるうま味成分は「グアニル酸」

昆布の「グルタミン酸」やカツオ節の「イノシン酸」と比べると若干知名度の低いうま味成分ですが、この3つのうま味成分が「3大うま味成分」といわれています

こちらのグアニル酸もイノシン酸と同じく、グルタミン酸と合わせてうま味の相乗効果をもたらす貴重なうま味成分なのですが・・・そういった話はまたおいおい(笑)

さて、何を隠そうこのグアニル酸も水溶性

水洗いすることにより折角のきのこの代名詞といわれる「うま味」も流出してしまいます

栄養価的にも

椎茸の特徴的な栄養素として前回、ビタミンDとエリタデニンをあげましたが、幸いこちらは水で流れてしまうことはありません

しかしながらご紹介には至らなかったものの、ほかの食材の平均値より椎茸に多く含まれるビタミンB群やカリウム、葉酸などは水溶性で水に溶けるため、水で洗うことで栄養成分も失うこととなってしまいます

もちろん、安心して美味しく食べる為に「洗う」という行為を否定するわけではありません そうしないと「気持ち悪い」と感じてしまう方は洗ってしまっても問題ないかと思います

ただ上記の理由から、基本的にきのこ全般は「洗わないで食べる」食材の為、野生のきのこでない限り、「限りなくきれいな状態」で商品として出荷されています

どちらが正解か悩んでいた方は、ぜひ洗わずにそのまま調理してください

調理のポイント

前回ご紹介した椎茸のストロング栄養素(笑)であるビタミンDは脂溶性なので、油との相性がよく、カルシウムと一緒に摂るとその吸収を助けてくれます

小松菜や豆腐などカルシウム豊富な食材と一緒に炒めたり、バターやチーズと組み合わせるのも効果的ですね

先述の、「グルタミン酸」を合わせることで「うま味の相乗効果」があるので、昆布を筆頭としたグルタミン酸を多く含む食材(野菜に多い)と合わせて油脂を使うと美味しさの点でも栄養摂取の点でも相乗効果を得られます

また先ほどの説明の通り、水溶性の栄養素も無視できないので「茹でる」といった調理法は強くはお勧めできません

煮物、網焼き、ホイル焼き、マリネ等、溶け出したエキスごと摂れる調理法がオススメですし、水を媒介にした加熱をするのであればみそ汁やスープとして一緒に飲めるものがよいでしょう

是非、椎茸という万能食材を栄養価の面でもうま味(おいしさ)の面でも余すことなく堪能してください!

5,6,11,12,18,19,25,26

2,3,9,10,16,17,18,31